偶然にも目を覚ましたら、キレイな朝焼けを見ることができました

 旅行3日目。
 この日は香港から中国へ入国し、シンセンへ行く予定になっています。
 シンセンというところは中国の経済特別特区に指定されていて、近年目覚しい発展を遂げているところで、ここにある中国民俗文化村というところに行くオプショナルツアーに申し込んだのです。
 行ったことのある人が面白いと言っていたということと、現地旅行会社の人が絶対にお薦めだというので、めったにない機会だし、せっかくだから行くことにしました。

 集合時間が11時だったので、それまでの時間でホテルのプールに行くことにしました。
 インターコンチネンタル香港のプールは、ちょうどプールからビクトリアハーバー、香港島を望むことのできるロケーションになっていて、天気も良かったので気持ちよく目覚ましがてらぷかぷか浮かんでいました。
 プールの水は程よく暖かいお湯で、しかもジャグジーになっていて、ほんとに気持ちよかったですよ〜。

 ちなみに、2003年の年賀状の写真はこのプールのあるところで撮影したものを使ったのです。
 このプールには入れただけでもこのホテルにして良かったな〜と思えましたね。

インターコンチネンタル香港のプールから。
天気も眺望も湯加減(笑)も最高でした。

 プールから上がって、朝食を食べに香港でデザートで有名な「糖朝」に行きました。
 ここは2002年9月に東京の青山にも出店した、日本でもおなじみの店です。
 豊富なデザートで有名な店として、TBSテレビで土曜日にやっている「王様のブランチ」という番組でもとりあげられ、2002年で最も問い合わせの多かった店の1位にランキングされていました。

 デザートで有名な店ではあるのですが、朝粥や麺類、点心なども各種そろっていて、これがまた美味い!
 この日は豆腐プリン、あわびと牛肉の粥、、中華ちまき、海老ワンタン麺を注文しました。
 どれも最高に美味しかったのですが、中華ちまきだけはちょっと癖のある香りがして好みではありませんでした・・・
 しかしながら、それを補って余りあるその他の料理の美味さには参りました。
 この時点で、最終日の朝食もここで食べることに決定しました!(笑)

豆腐プリン。ほんのりと甘くておいしい。 海老ワンタンメンはスープにつけていただきます。

 おいしい朝食に満足しながらホテルに帰り、ツアーバスにピックアップしてもらって、いざシンセンへ・・・

 バスの中でガイドさんにツアーについての説明を受けたのですが、これがちょっと脅しに近いものでビックリ!
 香港から中国本土に入国するには本来ビザが必要なのですが、このツアーでは参加者全員を一体としてビザ申請をする形の「団体ビザ」で申請してあるために、もし一人でもパスポートを無くしたりすると全員が香港に再入国することができずに、パスポートが再発行されるまでの1週間ほど中国国内に足止めを食う羽目になるのだそうで、そうなると全員分の宿泊費やらそれによって生じる損失を補償しなくてはならず何百万円かかるかわからない、というようなことをしつこいくらいに言われました。
 申し込む前にはそんなことは言われていなかったので、誰かのおっちょこちょいで足止めを食う羽目にでもなったら・・・と思うとこのツアーに申し込んだのは失敗だったか?とも思いましたが、いまさら引き返すわけにもいきません。その時はその時と腹をくくるしかなかったですね。

 そういえば、パスポートを自分が無くすということはまったく考えませんでしたねぇ、嫁さんのも自分が管理していたし。(嫁さんはかなりおっちょこちょいなので一番心配なのです。しかもどこにいても危機意識はゼロ!)

 香港から中国の国境まではだいたい45分くらいだと言われていたのですが、道が混んでいてなかなか到着せず、かなり長い時間バスの中にいたのでけっこうくたびれました・・・
 そして、ようやく出入国管理所へ到着したものの、これがまたものすごい行列を作っていたのです。
 さすがにまわりの人たちもうんざりしていたのか、西洋人らしき人がツアーのガイドさんに喧嘩をうってきたりとピリピリした雰囲気になってきました。
 事のいきさつとしては、自分たちのツアー客は登録してある順番どおりにゲートを通らなくてはならないのに、まちがってその団体専用の列の間に並んでしまった人にほかの列に行ってくれ、と話し掛けたら、突然ぶち切れて掴みかからんばかりの勢いで言い寄ってきた、ということだったみたいですけどね。

 そしてようやく自分たちの番になり、団体ビザの登録順に出入国審査が始まったのですが、自分の前の順番の人の審査が一向に終わりません。
 他の係員の人が寄ってきてなにやら話していたり、ただならぬ雰囲気・・・
 さっきの「一人でも問題があると足止めを食う」といった話も脳裏をよぎり、嫌な予感がしてきます。
 しばらくもめたあと、ようやく解決したらしく、自分も含めあとは順調に審査が終わり、無事中国へ入国できました。

 どうやら、自分の前に並んでいた初老婦人はその前に並んでいた初老の男性と結婚したばかりだったらしく、パスポートが旧姓のままだったそうなんです。
 そして、ビザの申請名とパスポートの名前が一致しないということでもめていたらしいです。
 中国は夫婦別姓なので、審査官が苗字が変わるということにピンとこなかったためにおこったトラブル、ということだったみたいですね。
 妙なところで文化、というか制度の違いを感じたりしました。

 中国に入国すると、突然道路が右側通行に変わります。
 香港はイギリス領だったために、日本と同じ左側通行なんですね〜。

 最初に向かった所は昔ながらの中国の市場。
 とても衛生的とは思えない店の中に、山のように野菜が積み上げられています。
 鶏は生きたままかごの中に入れてあり、その場で殺して売っているようです。
 豚肉は冷蔵施設などまったくない机の上に、無造作に切ってそのまんまのブロックで並べられていました。
 とてもじゃないけど、こんなところで買い物なんてする気にならない・・・すごいところでした。

かごの中に入れられた鶏を、その場で殺して洗っているところです。日本ではとても考えられない。
冷蔵設備など全くなし。衛生面での配慮などは全く感じられません。

 次に向かったのはシンセンの歴史や、現在どのような製品を作っているといったものを旅行者にアピールするために作られたと思われる博物館。
 閑散としていて、かび臭い建物の中を案内されたのだけど・・・とてもじゃないけど興味などもてませんでした。
 ものすごい旧型(に見える)テレビやら電化製品を見せられて、こういうものを作ってますといわれても・・・ねぇ。(苦笑)

 シンセンの街をバスの中から眺めていると、高層アパートらしき建物がものすごく多く、しかも現在建設中と思われる建物がものすごく多いです。
 現在発展の真っ最中というのが感じとれ、さっきの不衛生な市場と、新しい近代的な高層アパートとのギャップを感じずにはいられません。
 そうそう、道のど真ん中で路線バスが故障で止まっていたりもしたなぁ、これもあんまり日本ではお目にかかれない光景だったな〜。

 次に向かった所は中国の民芸品を売るところ。
 ヒスイなどの石や、木にものすごく細かい彫刻をしてある置物や、その場で彫ってくれるハンコ、磁器、刺繍などを販売していたのですが・・・当然見てただけ。
 当初の予定を大幅に遅れていただけに、早いところ民俗文化村に行ってくれないかなと思い始めていたりしたのでした・・・

 そして、ようやく中国民俗文化村へ到着したのですが、予定を大幅に遅れていたせいで、文化村の売りであるモンゴル民族の騎馬戦はすでに終わりそうな時間帯になっていました。
 これはけっこう楽しみにしていたんだけどなぁ・・・

中国民俗文化村の入り口 モンゴル民族の騎馬戦。
行ったときにはすでに終わっていました。


 中国民俗文化村は、中国全土に数多くいる少数民族をひとところに集め、それぞれの文化を紹介する、というコンセプトで作られたテーマーパークです。
 村内には、それぞれの民族の建築物が再現され、実際にそれらの民族の人たちがそこに集められていて、民族の伝統文化にまつわるアトラクションが随所で行われているのです。

 そして、その最大の見せ場は夜になって行われるすべての民族により行われるレビューショー!
 たしかにものすごく華やかな衣装で、見事に統率された踊りを見せてくれます。

 第1部は屋内の専用ホールで行われ、これはビデオ、カメラの撮影は禁止されています。
 少しくらい隠し撮りしちゃおうかと思ったんだけど、そこらじゅうに軍服を着た人たちがいたので、いきなりしょっぴかれてもシャレにならないと思っておとなしく観劇していました。
 しかしながら、この座席がものすごく座りにくくてだんだんつらくなってきました・・・どうも座席が前のめりになる形で設置されていて、腰が痛くなってくるのです。
 ショーは華やかで見所があるのですが、これだけはいただけませんでしたね。

 第2部は、野外のステージで行われます。こちらは撮影もOK。
 こちらはショーとしての規模が大きく、人数も多めで、武術にまつわるショーが多くなっています。

屋外で行われるショーの第2部

 そして、最後はすべての少数民族によるパレード。
 少数民族というと人数が少なく感じますが、すべてあわせるとすごい人数です。
 途中で車が故障して動かなくなるという初歩的なトラブルはありましたが、楽しく見ることができました。

 このショーを見ていて思ったことは、基本的にハードウェア的にはたいした事はなくても、人間の力でたいしたものにしてしまうというすごさが中国という国にはあるんだ、と感じました。

 しかし、それにしてもここにくるまでが長かった・・・正直疲れました。

 ショーが終わってすぐ、バスに乗り込みそのまま香港へ向かいました。
 香港からシンセンへ来たときにかかった時間からすると、とてもじゃないけど当初の予定通りの時間には到着できない、どころかその日のうちには帰れないくらいの時間になっていて、しかも予定到着時間を見込んでそのあとに予定を入れている人が(自分たちを含めて)多かったので、ガイドさんに相談したら、少しでも早く到着できるように、ホテルごとにバスの増援を手配してくれました。

 帰りは特に問題もなく、ホテルに11時前には到着できました。
 僕らは11時から足つぼマッサージを頼んでいたので、何とかその時間には到着できてよかったです。

 あ、そうそう、この日の夕食は文化村のレストランで北京料理を食べました。
 北京料理って、犬とか蛇とか蛙とかが出るらしいですね。
 さすがにこの日は出なかったけど、注文すればすぐに出てきたらしいですよ・・・文化の違いですなぁ。

 ホテルに帰ってすぐ、足つぼマッサージの先生が2人、来てくれました。
 日本で足つぼマッサージというと、木の棒を使ったものすごく痛いものという印象が強いですが、香港でちゃんとライセンスを持った人が行うマッサージは指しか使わず、それほど痛くないものらしいです。
 マッサージをしていて痛みを感じる部分のツボに相当する臓器が、弱っているということなんだそうで、かえって気持ちよいくらいでした。そのまま眠ってしまいそうな気持ちよさでしたね。

 そしてその眠気の残るまま、さっさとシャワーを浴びて眠ってしまったのでした・・・


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