機内から撮影 この時点でも雨はかなり強かった。

 ついにやってきた旅行初日、なんと天気予報は「台風接近中!」
 おいおい、そんなんで飛行機飛ぶのかよ〜。と、思っていたのだけど、雨は強いもののそれほど風が強くなかったので、順調に(とはいえ雲を抜けるまではかなり揺れたが)離陸、11時間半のフライトに入りました。
 しかし11時間半・・・長い!気が遠くなるほど長い!

 その間何をしていたかというと・・・予習! それまで見なかったニューヨークのガイドブックをおそらく3,4時間は見ていたと思う。結局この時間で、ニューヨークの地図をたたき込んでしまいました。(結局現地に行ってからは、嫁さんよりもどこに何があるかはるかに詳しかった)
 ちなみに前日の夜にはニューヨークが舞台の映画、「ユー・ガット・メール」のDVDを見て、その中で紹介されていたホットドッグの店などをしっかりチェック!監督がニューヨークで一番のホットドッグと紹介していたので、これは行かないわけにはいかないだろうということになったのだ。

 結局フライトの間、5時間くらいは寝られたのかなぁ・・・なかなか熟睡はむずかしいので疲れはとれないんだけどね。

 そして、飛行機はアラスカ上空へ・・・と、いう頃に夜が明けてきた。
 そこでちょっと日よけをあげて、外を眺めてみると、おお、見たことのない地形が果てしなく続いている!(当たり前だけど) とてもじゃないけど人は住めそうにないなぁ、道を一本作るだけで橋がいくつ必要かわかったモンじゃない。


ちょっとわかりづらいかもしれないけど、細かい水たまりのようなものが無数に広がっている

 そうこうしているうちにようやくデトロイトに近づいてきたのだけど、なんとこっちの方も悪天候らしく、着陸態勢にはいるとともにものすごく厚い雲の中に突入していった。外はすぐそこにあるはずの主翼すらまったく見えない。
 ようやく雲を抜けたと思ったら、そこはすでに街の中、しかも晴れていた・・・天気って不思議だなぁ。
 デトロイトは車の街だからなのか、そこいら中にテストコースらしき楕円形の道がある(観客席がないのでカートのオーバルコースではないと思われる)。
 よくよく見てみるとゴーカートのコースなどもあった。
 着陸したあと、空港の外に出てみると、アメリカ製の車以外はほとんど走っていなかった。
 やっぱりこれも土地柄なのだろうか?その後行った都市では例外なく視界の中に一台は日本車が走っていたと思うのだが。
 
 デトロイトでの乗り継ぎは、デトロイトへの到着が30分ほど早まったせいもあって、4時間半ほど。
 空港の外に出ても街などがあるわけでもないので、とりあえず空港の中で時間をつぶさなきゃならない。
 とりあえず昼食でも・・・と思って、何を食べようかとうろついていたんだけど、長い飛行機の中ですっかり内臓まで疲れちゃった僕ら夫婦は、「なんかさっぱりしたものが食べたいねぇ。」などとはなしながらお店を物色していた。
 しかし、そこはアメリカ。「さっぱりしたもの」などあるはずもなく、散々さまよったあげく日本人の目から見ると見るからに怪しい立ち食いそば屋さんに行ったのでした。
 そこのメニューは、「わかめうどん」「わかめそば」「しょうゆらーめん」「カレーライス」「カリフォルニア巻き」といったところでした。
 そこで「しょうゆらーめん」と、「カリフォルニア巻き」を注文し、カウンターは混んでいたのでテイクアウトして待合室で食べることにしました。
 さすがに搭乗待合室にまでラーメンを持ち込む人はかなり珍しかったらしく、向かいの老夫婦にちょっと笑われてしまいましたが・・・そこは旅行者、笑顔で倍にして返してあげました。(笑)

 食べ終わったあとそのまま待合室で座っていると、僕らが搭乗するはずのゲートでひとつ前の飛行機が搭乗手続きが終了して、飛行機がタラップから離れ始めたとき、外人さんのカップルが必死になって走ってきました。
 そこで係員の人に何事か話しかけていたのですが、係員さんはつめたく「もうだめ、行っちゃったわよ」ってな感じに返事をしていました。
 するとその夫婦、もうこの世の終わりのようにがっかりした様子で、(本当に)頭を抱えて悲しんでいました。
 その様子を見ていたうちの嫁さん、外人さんはこんな時でもアクションが派手なのだという事がおかしくてたまらないらしく、笑いをこらえるのに大変そうな様子。
 本人たちはそんなことで笑われているとわかったらそれこそ暴れ出してもおかしくないほどの落ち込みよう・・・いやあ、気がつかれなくて良かった。(笑)

 しばらくすると、再び嫁さんが笑いをこらえつつ僕の腕を引っ張ってきました。
 なんだろうと思って聞いてみると、三列ほど向こうにこちら向きで座っている立派な体つきをしたちょっとコワ面の黒人さんが、キャップをかぶって不機嫌そうに座っていて、そのキャップに書いてある文字が、なんと漢字で「猫」!おいおい、何で「猫」なんだよ〜、確かに英語に訳すとCatでかっこいい響きかもしれないけど、日本語で「猫」っていうと・・・やっぱりこたつで丸くなってるイメージだよね〜。「フニャア〜」とかいって。
 そのガタイと怖そうな顔と、「猫」の文字のギャップが何とも・・・さすがにこれは僕も笑いをこらえるのに苦労しましたね。
(その後、ニューヨークの町中にも「魂」とか、「志」とか書かれているTシャツを着ている人を見た。ひょっとして漢字がはやっているのか!?)

 さて、そろそろ待ちくたびれて、あと5分くらいで搭乗のはずだなぁ、と思っていたのだけど、なんだか搭乗するはずのところに飛行機がくる様子もないので、さすがに不安になって搭乗案内のモニターのところへ行ってみると、なんと搭乗ゲートが変更になっていた!
 おおお〜!気がついて良かった〜!マジでちょっと前に乗り遅れた外人さんを笑ってられなくなるところだった。
 気がついたあとは搭乗口まで激走!搭乗口についたときは、まさに今呼び出しをしているところだった。
 自分たちの名前がスピーカーで流れるのを聞きながら、「それはわたしですぅ!」などと言いながら駆け込む我々は、端から見るとかなり滑稽だったかもしれないが、なんとか乗り遅れることなくトロント行きの飛行機に乗ることができた。
 いや〜、あぶなかった。やはりここはアメリカ、日常当たり前に飛行機を利用しているからなのか、当たり前のように搭乗ゲートも変更になるらしい。勉強になった。

 以後、トロントにつくまでの間は、ほとんど熟睡していて気がついたらすでに着陸するところだった。おそらく1時間かからなかったんじゃないだろうか。

 しかしトロントについたら今度はナイアガラフォールズまでバス・・・ホント、いい加減にして欲しくなる移動時間の長さだ。
 ナイアガラについた頃には、成田を出発してからゆうに20時間は超えていた。しかし、日付は出発した日の午後5時過ぎなんだよね。そう考えると時差ってものを実感できる。 


バスの中から乗り出して撮ったアメリカ滝。ようやくここまでやってきた!しかし疲労困憊だ〜!

 しかし、自分としては念願のナイアガラ、ここにいられるのは1日弱しかない!
 ホテルにチェックインして部屋で一瞬意識を失ったあと、強引に復活していざ、ナイアガラの滝を見に!明るいうちに見に行かなくては必ず後悔すると思い、一刻も早く!と思っていったものの、暗くなりだしたのは夜の8時過ぎだったので、それほど急がないでも良かったようではあった。
 だ〜がしかし!一刻も早くと急いだ甲斐が、そこにはあった!
 ホテルのある高台から坂を下っていくと、まずは真っ正面にはアメリカ滝が。

これがアメリカ側に流れ込むアメリカ滝。これでもカナダ滝に比べると規模では1/10らしい。

 おお〜、これがナイアガラの滝かぁ〜と、しばし眺める僕ら。
 さすがにバケーションのシーズンなのか、まわりにはありとあらゆる人種の観光客でごった返している。本当のナイアガラを眺めているということをさらに現実と感じさせてくれる。馬車も走ってるし。

 しばし眺めたあと、その観光客のみなさんが歩いてくるカナダ滝の方へ行ってみようということに。
 そして、いざ、カナダ滝が近づいてくると・・・す・げ・え!
 何せ、ハンパじゃない、ものすごい迫力!アメリカ滝の方は落ちていく水の線が確認できたのだけど、カナダ滝の方は白い物体がそのまんま固まりで落っこちていくって感じ!
 しかも、さらに近づいてみると、滝に落ち込んだ水しぶきが霧状になって舞い上がり、雲ができていく様子がはっきりと分かる。そしてその雲の下だけに雨が降っている。
 あっという間に2人ともびしょぬれになってしまったけれども、ものすごい充実感に包まれていたのでした。

 しかも、その雨のエリアから少し引き返してきたところで、はっきりと、美しく半円を描く虹が・・・感動!
 その光景を写真に撮ろうと思ったのだけど、虹が大きすぎてカメラに入らなかった。まあ、あれは自分たちの心の中に焼き付けておくしかないな。
 とにかく言葉で表せないくらいに感動した。

(左)真ん中に「霧の乙女号」が見える (右)立ちのぼる水しぶきでできた虹。

 そうそう、ナイアガラフォールズの街は、観光地らしく、街全体の管理が行き届いているのを感じます。
 そこいら中の芝生がきれいに刈り込まれているし、ゴミが捨てられていることもないし、至る所にきれいな花が咲いていました。
 そして、至る所にカモメか海猫のような鳥がいました。
 動物を見るとはしゃがずにいられない我々は、カメラを手に追っかけ回してしまいました。(笑)


日本ではサッカーのピッチくらいでしかお目にかかれない美しい芝生。走り回るとなんだかうれしい。(笑)

 さすがに疲れてきたのと、だんだん日が暮れてきたので、いったんホテルに引き返すことにした僕らは、部屋に戻ってびっくり!
 部屋はさっきいたときとはまったくちがう色に染められていたのです。
 あのままずっと滝にいたらこの夕焼けを見られなかったと思うと、いや、ホントに偶然に感謝したくなりましたね。
 このHPを見てくれていた人にはわかるかもしれないけど、僕ら夫婦、無類の夕焼け好き!
 しばし感激を胸にこの自然の描く芸術を堪能するのでした。


ガラス越しなので太陽が二重に見えるけど、幻想的な光景だった。

 すっかり日が暮れた後、ナイアガラの街にはホテル以外にはめぼしいお店もないので、ホテルのレストランで食事をして、また再び今度は夜、ライトアップされているナイアガラを見に行こうと勇んで出かけていったのですが・・・こちらはあまり大したことはありませんでしたねぇ。迫力が半減どころか1/10もない。
 しかし、とりあえずは見たということで安心したのか、なんだかものすごく疲れてきました。
 さっさとホテルへ戻り、先にシャワーに入ったところまでは覚えているのですが・・・その後は、まさに泥のように眠ってしまいました。髪の毛を乾かさずに寝てしまったので、次の朝の頭といったら・・・とんでもないことになってました。
 そうして、正味37時間の長い一日がふけていったのでした・・・


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