今日、最初の目的地は、ウォール街、ニューヨーク証券取引所です。
 7thアベニュー駅から地下鉄に乗り、いざ、行こうと思ったところ、いまひとつ乗る電車がわかりづらく、自信がもてなかったので、そこらへんにいる人(アジア系の女性だった)にこの電車はウォール街へ行くのかを聞いてみました。

 やはり片言の英語で話しかけたために、今ひとつ理解してもらえない状態が続いたのですが、しばらくするとその人が近くにいた黒人の人(女性)に話しかけ、しばらくしてその人が話しかけてきました。
 この人がものすごく親切な人で、普通なら話がなかなか通じなければ、だんだんいやになってきてもおかしくないと思うのですが、わかりやすいように話しかけ、わかるまで聞いてくれました。
 結果、どうやら僕らが乗った電車は間違っていたらしく、次の駅で一緒に途中下車してくれ、またわかりやすいように、何度も、何度も教えてくれました。まるで教えるのがうまい教師のように。いやぁ、親切だ
 自分はニューヨークという街をちょっと誤解していたのかもしれない。
 結局、「わからなくなったらこのメモを誰かに見せればわかるわよ」ってな感じでメモまで渡されて、格好良く立ち去っていきました。うーん、かっこいい!
 ああいうスマートさっていうのは日本人にはなかなかないものだと思うのでした。見習わないとね。



左はウォール街近くの道。まわりを高層ビルに囲まれているので方向感覚が麻痺してくる。
右はフェデラルホール・ナショナルメモリアル。正面にはジョージ・ワシントンの像がある。

 さて、やっとの事でウォール街駅までやってきたのだけど、今度は肝心のウォール街がどっちにあるかわからない!おいおい、今日は迷ってばっかりだなぁ。
 持っている地図に名前も載っていないような細い道が入り組んでいるところだったので、例によってそこらへんにいる人に聞いてみたんだけど、その人も正確にはわからなかったらしく、「あっちの方にいって、シティバンクにいって聞けばわかるわよ」と、方向だけ教えてもらい、いわれた方向へ向かって、ここら辺かな〜ってところできょろきょろしていると、50〜60才くらいのおじさんに気さくに話しかけられました。
 「君たち、証券取引所に行くんだろう?私も行くところだから一緒に行こう」ってな感じに話しかけられ、こりゃいいやって事で一緒に行くことにしました。

 片言ながら会話をしていくうちに、その人はかなりな金持ちで、車をいっぱいもっているとか、証券取引所にあったのと同じ大きさのスクリーンが自宅にあるとか、今あのスクリーンに映ってる証券が、いくらを超えたら売る予定なんだとかいろいろわかってきました。
 電子辞書を片手に会話をしていたのだけど、職業を聞くと、「占星術師」といった訳の単語を言っていた。どうにも話のつじつまが合わないので、いろいろ考えてみたら、確か「予想屋」みたいな意味でなんだかの映画の中で訳されていたのを思い出し、とりあえずマーケットの予想屋って事で納得することにしました。

 気がついてみると、その人と会話をすることに精一杯で、あんまり証券取引所の印象が残らなかったなぁ。
 でも、帰ってきてからワールドビジネスサテライトとかを見ていると証券取引所がよく映るので、なんだか以前よりも近くに感じるのでした。


左がニューヨーク証券取引所、右がウォール街らしくスーツを着た牛

 さて、ちょっと疲れたのでスターバックスコーヒーで一休みしたあと、僕らは次なる目的地、自由の女神があるリバティー島へ行くため、フェリーの発着所のある昨日も行ったバッテリーパークへ向かいます。
 バッテリーパークはウォール街から近いので、歩いていくことにしました。

 ただ、その途中、ボストンにいる友人に、会いに行けないということを電話することになり、公衆電話を探しました。
 あらかじめテレフォンカードは買ってあったので、さて、電話をかけようと思ったところ、なんとカードを差し込むところがない!?
 これはひょっとしてこのタイプの公衆電話では使えないのか?と思って困っていたのですが、思い切ってそこら辺を歩いている人(きれいな女性だった)に聞いてみることにしました。

 すると、その女性はにこりと微笑んだあと、そのカードを受け取り、おもむろに公衆電話のボタンを押し始めました。そうすると、受け取った受話器から日本語の案内の声が!
 そう、僕らはテレフォンカードというと電話に差し込んで使うものと思ってしまうのですが、どうやらアメリカのテレフォンカードというのはカードそれぞれにIDナンバーが書き込まれていて、指定の電話番号にかけたあとIDナンバーを打ち込み、相手の電話番号を伝えるというものだったようです。一生懸命カードの差込口を探していたのがとてもバカらしく、恥ずかしかったですね。

 しかし、ボストンにも行ってみたかったんだけどなぁ〜、さすがにちょっとスケジュール的に厳しかったみたいだ。
 飛行機で行くにも天候が不順で帰ってこれるかわからないようだし、電車で行くとなると片道4時間半、往復で9時間かかってしまうとなると・・・さすがに無理があると思って。まだ、セントラルパークにもメトロポリタン美術館にも行ってないしねぇ。

 あ、そうだ、やっぱりここでも電話のかけ方を教えてくれた人はすごく親切に教えてくれたなぁ。そしてやっぱり去り際も格好良かった。
 なんだ、やっぱりなかなかいいところじゃん、ニューヨーク。とにかく人が親切だ。

 さて、昨日に続いてやってきましたバッテリーパーク。今日もすごい人だったけど、昨日よりは並んでいる人も少ないように感じた。
 パフォーマンスをやる人は今日もいろいろいて、ヨガのようなことを音楽に合わせてやってる人、リスをてなづけて観光客に餌をやらせている人など、よく考えるな〜と思わせられました。そうそう、地下鉄の改札には一月フリーパスを買って、カードを通して利用客からお金を取るほとんど違法だろうと思わせるやつもいたし。(ニューヨークの地下鉄は入るときにカードを通せば出るときはフリーなのです) 

 フェリーに乗ってほんの15分ほど、僕らはリバティー島へやってきました。
 この日はものすごく日差しが強く、まともに目も開けていられないほどでした。でも気温は日本ほど高くないし、心地よい風が吹いていてホントに「気持ちのいい陽気」といった感じ。
 ただ歩いているだけで幸せな気持ちになってくるような感じでした。

 自由の女神はやっぱり自由の女神だった。今までテレビの中で見たものとまったく同じだった。(当たり前だけど)
 でも、やっぱり真下から見上げてみると、ニューヨークへ来たんだなぁと実感しましたね。


自由の女神。冠の部分まで上ることはできるが、別に展望がいいわけでもないらしい。

 さて、リバティー島からマンハッタンへフェリーで帰ってきたあと、僕らは地下鉄でタイムズ・スクエアへ向かいました。
 タイムズ・スクエアはブロードウェイと7番街の交差点を中心とした42〜47丁目にかかる三角地帯で、そこはテレビ局のニューヨーク特派員が必ずレポートをするところ。ブロードウェイと言われるミュージカルシアター街のあるマンハッタンの中心地です。
 毎年年末には、新年へのカウントダウンが行われ、何十万という人がここに集まります。
 よくテレビに映る、ナスダックのモニターもここにあります。
 僕らが行ったときも、ちょうどテレビのスタッフが来てました。
 ちなみにタイムズ・スクエアというのは、この交差点に建つビルが、以前ニューヨークタイムズ紙の本社だったために名付けられたんだそうです。

 


これをテレビで見たことのない人はあまりいないでしょう。ニュースでよく映るナスダックのモニター

 タイムズ・スクエアから七番街を歩いてホテルに戻ると、すでに5時前になっていました。
 このあとは昨日のぼりそこねたワールドトレードセンターへ行く予定だったので、ちょっと早めの夕食をとることにしました。昨日の経験上、7時前には並んでいないと日が暮れる前に展望台に上れないとわかっていたので。

 この日の夕食は、ツアーの夕食クーポン券を使ってイタリア料理店でとることにしました。
 さすがに5時から夕食をとる人はあまりいないらしく、まさに貸し切り状態でしたね。しばらくすると次々にお客さんが入ってきてあっという間に満員になっちゃいましたが。
 けっこう常連っぽい人が多く、店長さんらしき人と親しげに話していたり、とってもいい雰囲気でした。食事もおいしかったし。
 JTBのクーポンでつくようなところだから日本人ばっかりなんだろうと思っていたら、僕ら以外はひとりも日本人はいませんでしたね。

 次の日にJTBのブースでおすすめのお店を聞いたときに、真っ先にこの店の名前が出てきたくらいだから、偶然選んだ店だったけど正解でしたね。

 さて、食事を終えた僕らは、今日は間違いなくビデオをもってワールドトレードセンターへ向かいました。
 昨日と同じようにセキュリティーチェックを受けて、展望台へ向かうエレベーターに乗るための行列の最後尾・・・って、昨日と打って変わって行列が短い!ほんとにあっという間にエレベーターまでたどり着きました。

 ニューヨークに着いた日、ガイドさんは「ここのところ悪天候で、毎日夕方になると雷雨が来ている」と言っていたのを思い出し、おそらく昨日は久しぶりに天候が崩れなかったから混んでいたのだろうと結論づけました。そういえばバッテリーパークの行列も今日の方が短かったことを考えれば、おそらく予想は間違っていないでしょう。

 昨日来た時間より早く7時前に到着した上に、あっという間に展望台まで上れたので、時間的にも随分余裕がありました。(と言うより早すぎた)。ま、その分ゆっくり眺望を楽しめたのだけど。
 おそらく夕焼けの時間帯には混んでくるだろうと思った僕らは、ベストのポジションをキープしてずーっと座っていたのですが・・・そこまですることもなく、けっこうスペース的にも余裕がありましたね。ちょっと拍子抜け。

 しかし、長く待っただけのことはある見事な夕焼けでした。
 僕らはラッキーだったなぁ、せっかく来ても天気が悪かったって人も多いだろうに、ナイアガラといい、ニューヨークといい、こうも見事な夕焼けを見られるとは。

ワールドトレードセンターから西を望む。
ハドソン川の向こうはニュージャージー州になる。
ワールドトレードセンターから東を望む。
手前がブルックリン橋、奥がマンハッタン橋。


長く待った甲斐があった夕焼け。飛行機が横切っていくさまは幻想的ですらあった。

 夕焼けをたっぷり堪能し、すっかり日が暮れたあと、僕らは展望台をしばらく歩き回ることにしました。
 しかしここでトラブル発生!急におなかが痛くなってきました。しかも、いつの間にか嫁さんの姿が見えなくなっている!おいおい、こんな時に・・・
 仕方がないので、痛む腹を抱えながら嫁さんを捜すことに。展望台を一周し、屋上まで回っても見つからないので、さすがにもう限界だと思ってトイレに駆け込み、落ち着いたところで出てくると、すぐに嫁さんは見つかりました。だいたいそういうもんだけどね。

 どうやら嫁さんは土産物屋でガラスでできた林檎の置物に目を引かれていたらしく、それをビデオに撮っているうちにお互い見失ってしまったようです。
 ま、確かにきれいな映像をとっていて、ビデオ編集に役に立ったので、間が悪かったのも許すとしましょうか。(笑)

 この後屋上の展望台にのぼり、360度広がるニューヨークの夜景を楽しみました
 定評のあるマンハッタンの夜景ですが、華やかさという意味ではラスベガスの夜景の方が綺麗だったかもしれませんね。まぁ、あちらはそのために作られた街だから当たり前かもしれないけど。

 この日はちょうど満月で、地平線すれすれにまん丸い月がとっても綺麗に見えました。これまた偶然にもいいものを見ちゃったなぁ。

 さて、存分に夜景を堪能し、展望台を降りてくると、時間はすでに10時になろうとしていました。
 う〜ん、この時間に地下鉄に乗るのはものすごく勇気がいるので、タクシーに乗るかどうか迷ったんだけど、いざ駅のコンコースに降りてみると、けっこう女の人でもひとりであるいてるんだよね。
 人通りも多いし、こりゃあ大丈夫だろうということになり、結局地下鉄で帰ってきました。まったく問題なし。
 かなり治安は良くなっているようですね、思った以上に。

 帰りに近くのデリに寄り、ビールを買って帰りました。あ〜、今日もよく歩いたなぁ。


旅行記トップへ 1日目へ 2日目へ 3日目へ 5日目へ 6、7日目へ