この日の最初の目的地は、アッパーウェストサイド。地下鉄に乗ってまずはコロンバスサークルへ。
 コロンバスサークルは、ブロードウェイとセントラルパーク西通り、そしてセントラルパーク南通りとの交差点にある円形の広場で、中央には有名なコロンブスの像が建っています。
 像の台座になっている円柱にはコロンブスの航海船、ニーニャ号、ピンタ号、サンタマリア号の船首の彫刻が飾られています。

この日も晴天に恵まれた。しかも気温は20度前後でとっても過ごしやすい。

 続いて地下鉄に乗り、さらに北上。今度は72丁目駅で下車。
 この日は朝食がついていなかったので、あらかじめ調べておいたホットドッグやさん、「グレイス・パパイヤ」に行きました。
 この「グレイス・パパイヤ」は、映画「ユー・ガット・メール」の中でメグ・ライアンとトム・ハンクスがデートをするシーンで使われたお店で、DVDのロケ地紹介で、監督が「味も値段もニューヨークで1、2をあらそうお店」と紹介していたのと、サッカーの中田英寿がオフィシャルホームページの中で「ここでホットドッグを食べただけで、ニューヨークへ来た目的が半分達成される」とまで絶賛していたので、ぜひ行ってみたいと思っていたのです。
 いざ食べてみると・・・うまい!うますぎる!初めは嫁さんと一本ずつ食べて終わりの予定だったのですが、あまりにうまいのでもう一本ずつと、パパイヤドリンクを頼んじゃいました。そうしたらなんとホットドッグ2本とドリンクでセットメニューになるらしく、合わせて1ドル90セント!確かにものすごく安い!
 こんな事なら、最初に買ったやつもドリンクを合わせて頼んでおけば良かったなぁ、最初はバラだったので一本1ドル50セントだったんだよね。
 大きさはアメリカの店にしてはちょっと小ぶりなのですが、他の店のようにただパンにソーセージがはさまってるだけじゃなくて、細かく刻んだタマネギと特製ソースがたっぷり盛り上がるほどのっかっていました。これがうまいんだ!しかも2本も食べたのに少しもしつこくない。
 しかしこんなに安いとは!店員さんも愛想良かったし。「日本人はジェントルだから大好きだ」と言っていた。

 おなかも気持ちも満足して、次の目的地、ダコタアパートへ。
 ここはちょうどグレイス・パパイヤからセントラルパークの方向へ歩いていったところでした。
 ダコタアパートは、今を去ること20年前、ジョン・レノンが射殺されてしまった場所。そして、人生でもっとも幸せな時期を過ごした場所でもあるのです。


ジョンはこのアパートの部屋からセントラルパークをよく眺めていたらしい

 このダコタアパートは厳しい入居制限があり、年収が4000万円以上、身内に犯罪者がいないこと、しかも全入居者の同意が得られなければ入居できません。
 今まで、ポール・マッカートニーや、マドンナが入居を拒否されています。まあ、これはテロの標的にされるのを恐れたためらしいのですが。

 アパートの前では外人のみなさんが代わる代わる写真を撮ってました。やはりジョン・レノンは世界的なアイドルなのだと再認識させられましたね。(とはいえ、おそらく向こうにしてみれば日本人もここに来るのかと思ってるかもしれないけど)

 しかしこのアパートの立派なことといったら・・・とても自分がマンションに住んでるなんていえなくなるね。(笑)

 さて、次の目的地は道を挟んですぐ向こう、セントラル・パークです。
 これがまた、何せ広い!ほんとに方向感覚を失うほど広い!よくこんな広い公園をそれほど広くもないこのマンハッタン島に作る気になったなと思っちゃいますね。
 まず道なりに歩いていくと、広大な芝生の広場、「シープ・メドウ」が広がり、さらに行くとベセスダ噴水があります。

 ベセスダ噴水へと向かう地下通路では、ひとりでフルートを演奏している人がいました。まぁたこれがうまいんだ。
 何度も言うようだけど、こっちではいたるところでパフォーマンスをしている人がいるんだけど、これらはたいていレベルが高いです。
 普通の地下鉄のホームで小汚いホームレスっぽいおじさんがバイオリンを弾いていたり、ドラムの代わりにバケツのようなものを打ち鳴らす入れ墨しまくりのおにいちゃんがいたりするんだけど、ほんとにうまいんだよね。
 あんたたち、どうしてこんなところで演奏してるの?って感じ。
 バケツぶっ叩いてるにいちゃんのまわりには、4重、5重の人だかりができてたよ。その中には一緒にリズムを刻む警察官もいた。(笑)
 こんなところにもアメリカって国のすごさと、怖さを感じるのでした。だって、ちょっと上手いくらいじゃゆく先ホームレスだもの。(苦笑)


左がベセスダ噴水、右がザ・レイクと呼ばれる人造湖

 そして、セントラル・パークに行ったらぜひ行ってみたいと思っていたのが、「ストロベリー・フィールズ」
 ここは、ジョン・レノンがダコタアパートの部屋から眺めていた公園の一角を、オノ・ヨーコが買い取り、彼が作曲した歌の名前を付けたところで、上から見た形は涙のしずくの形をしています。
 ここを通る歩道の中央には、名曲「イマジン」の名が刻まれたモザイクの石碑がはめ込まれているのです。
 行ってみると、やはり多くの、いろんな人が来て、写真を撮ってました。そして、その横の芝生では十数人のアジア系の人たちが我関せずって感じで太極拳をやっていた。(笑)


中央には「IMAGINE」と刻まれている

 そして、僕らはセントラルパークを横断して、今度はメトロポリタン美術館へ。
 ここはまた広いのなんのって!規模が大きすぎてどこから見て回っていいか困ってしまうくらい広い。
 で、結局いろいろ回ったんだけどいい加減食傷気味になっちゃうんだよね。どれを見てもだんだん刺激がなくなってくるというか・・・

 その中で印象に残ったのは、そこら中で名画を模写しているこどもたち。(笑)これもまた上手い。なんだか劣等感を感じてくるよ、こうなってくると。
 別にこっちの人たちが何から何まで才能を持っているというわけはないとは思うんだけど、そこら辺で何となく演奏していたり、絵を描いたりしている人たちのレベルがこうも高いと、民族的に何か違いがあるのかと疑いたくなるね。
 だって、日本でもよくギターをかき鳴らしながら路上で歌を歌っている人なんかいるけど、立ち止まって聞いてみようと思うほど上手い人っている?少なくとも自分はそんな人を見たことがない。極めてたまにはいるんだろうけど、ほとんどは自己満足で終わっているよね。

 ま、冗談はともかく、印象に残ったのは世界中の武器、防具のギャラリーかな。
 民族的な性格の違いによって、防具の特徴が違ってくるのが興味深かった。ドイツ系の民族の防具は装甲が厚く、重くできていたり、イタリア系の民族は装甲が薄く、軽量で、装飾が華やかだったり。
 そんな中で、我が日本の誇る武器、日本刀がひときわ存在感を示していましたね。これは世界のどこに出しても自慢できる芸術品だと感じました。たとえもとは人殺しの道具だったとしても、使わなければ芸術品だから。

 しかし、この美術館はただ見て回るだけでも体力を必要とするね。結局半分くらいを流して見ただけで、すでにクタクタ。まぁ、ここに到着するまでにもかなり歩いていたので仕方ないんだけど。
 で、すっかり疲れ切ってしまい、いったんホテルに帰ることにしました。

メトロポリタン美術館の入り口 子供たちが絵画を模写している。これがまた上手い!

 ホテルに帰ってひと休みすると、嫁さんが「これから何時間か別行動しよう」と言い出しました。
 まぁ、これは行く前から言われていたことだったんだけど、その時点ではここはものすごく怖いところだと思っていたので、危機的意識ゼロの嫁さんをひとりで歩かせるなぞとんでもないと即刻却下していました。
 でも、こっちに来てみると、思っていたよりかなり安全だし、ひったくりやスリなんかに気をつければ別にひとりで歩いていても大丈夫だろうと思って、認めることにしました。

 さて、別行動することにしたものの、自分はどこへ行こうかと迷ってしまいましたが、とりあえず通ったことのない道を通って、ロックフェラーセンターまで行ってみることにしました。
 途中、NBAのショップがあったのでふらっと寄ってみると、なんと中で番組の収録をやっていました。
 インタビューを受けていたのは、シドニーオリンピックにも出場するA・モーニング


ドリームチームの7番、A・モーニング

 またしばらく歩くと、何とも立派な教会がありました。後で調べてみるとこれはセントパトリック大聖堂でした。
 光が反射してあまりにキレイだったので、写真を撮ろうとカメラをかまえたんだけど、そこは5番街、身長の高いバスがひっきりなしに走っていて、しばらく待っていてもいっこうに写真が撮れませんでした。すると、同じポジションでカメラをかまえていた外人の女性と目があって、にこっと微笑んで肩をすくめ、「なかなか撮れないね〜」って会話しちゃいましたよ、目線で。(言葉ではない)
 こんな時に感じることは、どこの国でも同じだよね、言葉はわからなくても。 その時に撮った写真がこれ。

セントパトリック大聖堂

 そうこうしているうちにロックフェラーセンターへ到着。
 ここはけた違いの資産家であるロックフェラー氏が商業の中心地を作るために建設したビル群で、現在、19の高層ビルが建ち、その中で働く人は6万5千人以上、数え切れない店舗が並び、100もの壁画や彫刻がセンター内におかれています。
 センターの中央のスペースは、夏はカフェ、冬はアイススケートリンクになる広場があり、巨大な犬の形をした木があります。クリスマスには、ここに巨大なクリスマスツリーが飾られるらしいです。


季節によっては花で覆われるらしい犬の形をした木。

 さて、ロックフェラーセンターをしばらくぶらぶらした後、 また歩いて今度はアメリカズアベニューを北上してホテルに帰ることにしました。またきょろきょろと見回しながらね。そこでとったのがこの写真。

 このとき、ニューヨークでは「カウ・フェスティバル」という、いろんな新進デザイナーに牛の原型を渡し、思うようにデザインしてもらって町中に展示し、フェスティバルが終わったらそれらの作品をオークションにかける、というキャンペーンをやっていて、町中にいろいろな面白い牛が飾ってありました。左のやつは特に気に入った。(笑)

 ホテルに帰ってくると、時間は5時前をになっていました。待ち合わせの時間は6時だったので、後1時間ほどあり、さて、どうしようかとガイドブックを見ているとホテルの近くに近代美術館があり、個人的に好きな画家、シャガールの「誕生日」が展示してあると書いてあったので、ぜひ見てみたいと思って急いで近代美術館へ。
 この日は近代美術館は5時45分で閉館だったので、時間にして40分弱くらいしかなかったんです。

 そして、いざ行ってみると、なんと展示物が配置換えになっていて、ガイドブック通りに見て回っても目的の絵がない!おいおい、それでなくても時間がないというのに・・・仕方がないのでものすごい早足で館内を歩き回り、めぼしい作品を見て回ったのですが、一番見たかったシャガールの「誕生日」は結局見つけられませんでした。
 それこそすみからすみまで見て回ってもなかったので、おそらく他の美術館に行っているんでしょうね。残念でした。

 展示されていた絵画は、めぼしいところではセザンヌの「水浴」や、ピカソの「アヴィニヨンの娘たち」などがあったのですが、その中で目を引いたのが作品の名前はわからないんだけど、ピカソの彫刻。
 これには何ともいえない質感があって、人の顔を彫ったものと思われるんだけど、少しもリアルじゃない。でも、なんだかすごい質感、存在感があるんですよね〜。言葉でちょっと表現しにくいんだけど。

ピカソの「アヴィニヨンの娘たち」 名前はわからないけど、ピカソの彫刻

 さて、結局目的の絵を見つけられずに美術館は閉館してしまったので、ホテルに戻ることにしました。
 部屋に戻ると、まだ嫁さんは帰ってませんでした。まったくどこをほっつき歩いているのか(笑)。結局時間通りに帰ってきましたが。
 嫁さんは5番街あたりをうろついていたらしいです。ロックフェラーセンターにも行っていたらしい。ばったりあったら面白かったな。
 後で嫁さんが撮ってきたビデオを見たら、他にセント・トーマス教会にも行っていたみたいです。
 あと、デリに入っていろいろつまんでいたらしい。(笑)
 そうか、そういうアイデアがあったか。自分もなんか食べておけば良かった。ずらりと並ぶ料理を見ているとなんか食べたくなるんだよね〜、ちょっと後悔。

 そして、ひと休みした後、今度はグランドセントラル駅に行くことにしました。夕食をそこにある「オイスターバー」でとろうということになったので。
 JTBのブースへ行って予約を入れてもらい、また地下鉄でグランドセントラル駅へ。
 ここがまた広い!というか、作りが大きい! 


グランドセントラル駅のメインコンコース。何せ天井が高い!

 ここは1913年に鉄道の終着駅としてたてられ、1998年に3億4千万ドルかけて大改装され、ショッピング、観光の要素をもった駅として生まれ変わりました。
 上の写真にもあるメインコンコースは、天井に描かれた12星座は、光ファイバーによって輝いています。
 ほんっとに空間を贅沢に使った建物ですね。圧倒されます。

 ここには100店舗近くのレストランやショップが入っていて、あのマイケル・ジョーダンの経営するステーキハウスも入っていました。
 夕食を食べに行く「オイスターバー」は、グランドセントラル駅の中でもっとも大きく、有名なシーフード中心のレストランです。
 名前からわかるとおり、カキには特に力を入れていて、アメリカ、カナダ各地のカキを中心に、20種類以上のカキがあるそうです。その中には日本のものもあるらしいですよ。有名な広島産ではないらしいけど。(笑)

 僕らは、メニューがあまりにも細かいので、ウェイターさんにお勧めを聞いてみることにしました。
 すると、ハマグリのクラムチャウダーとカキの盛り合わせと、ロブスターを半分ずつにしたらどうだいと勧めてくれたので、言われるままに注文しました。
 カキは、日本のもののように殻が細長くなく、丸いんですね。初めてみるカキでしたが、味は日本のものと大して違いはないように感じましたね。
 ま、全然グルメってわけでもないので、日本のものでもめちゃくちゃいいものを食べたことがあるわけでもないので当てにならないとは思うけど。

 それからロブスター!これがデカイ!これを一匹ずつ頼んでいたらほんとに大変なことになるところでした。そうだなぁ、全長40pくらいあったとおもう。こんなデカイロブスターを食べるのは人生で初めてでした。(笑)
 ただ、これにつけて食べるのであろうオイルのようなものがいまいち口に合わず、レモンを搾ってそのままいただくことにしました。
 その方がはるかにおいしかったですね。ぷりっぷりっといった感じでいい歯ごたえ!存分に堪能しました。旅行に来たときくらい贅沢してもバチは当たらないよね。けっこういい値段はしました。(笑)

 あ〜あ、これで最後の夜も終わり、明日には日本へ向けて出発です。
 でも、今日ついに歩きすぎで足にマメができたし、かなり疲れがたまってきたのでちょうど良かったかな。


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