ちょうどアメリカ滝から太陽が昇ってきました。このために早く寝た(嘘つけ!)甲斐があった。
ナイアガラの日の出を見るために前日から日の出の時間をチェックして目覚ましをかけておいたので、ちゃんと日の出の時刻にはしっかりと起きることができました。 ちなみに日の出の時刻は確か6時過ぎくらいだったと思う。
ただ、前日に髪の毛が濡れたまま寝てしまった関係上、頭は大爆発の状態!しかし間違いなく今が日の出の時間。
仕方がないのでとりあえず持参したキャップで頭を押さえつけ、デジカメを片手にホテルの部屋を飛び出しました。
そして、エレベーターホールから見えた景色がこの写真。まさに最高のタイミングでした。
いやあ、はるばるナイアガラまで来て、たった1日弱しかいないのに、よくもまあこれだけ見事な夕焼けと朝焼けを見られたものだとみずからの日頃のおこない(?)と神様のご厚意に感謝、感激なのでありました。(笑)
もうすでにこの時点でかなり自分の中では満足度120%。ごちっす、って感じでした。
しかし、感傷に浸っているまもなく、なんと7時20分には荷物をまとめて部屋の外に出しておかなくちゃならなかったので、とりあえず部屋に戻って荷物の整理を始めました。
しかし、ここでひとつの疑問が発生。
「これから僕らは「霧の乙女号」に乗って、あの滝の水しぶきの中につっこむんだよなぁ・・・ひょっとして、そこでびしょ濡れになっちゃったら、その後の飛行機の中でも濡れた服や靴でいなきゃならないんじゃないのか?上半身はカッパを着るからいいとしても・・・」
荷物はまとめなきゃならないし、着る服は移動するときのままにするのか、濡れてもいいものにするのかは決まらないし・・・
仕方がないので、フロントまで行って聞いてみることに。
「霧の乙女号ってかなり濡れます?」
「もし濡れたら荷物を預けたあとでも着替えられますかねぇ?」
ちょうどホテルの日本人スタッフの方がいたので、そういったことを聞いてみると、
「着替えることは可能ですし、まぁ、確かに濡れますけど、それほど気にするほどじゃないとは思いますよ」との返事。
その時点で僕らは「濡れてもいいバージョン」のTシャツ、短パンにビーサンという完全防備(笑)だったので、速攻で部屋に戻り、「そのまま移動バージョン」に着替え。部屋に戻った時点でのこり5分くらいだったので、焦った焦った。
そして、今度はナイアガラ観光の集合時間が8時10分だったので、これまたあわただしくホテルのレストランへ。
ここのホテルのレストランは、朝、夕ともにバフェ・スタイル(バイキングね)でしたが、特別何かおいしいものがあったわけじゃなかったなぁ・・・何を食べたかもあまり覚えていないし。
あわただしく食事を終えると、そのままツアーの集合場所へ。そこで我々を迎えてくれたのは、昔はロンドンあたりを走っていたと思われる真っ赤な2階建てのバスだった。
そして一行はバスに乗り込み、まずはナイアガラに流れ込む水量を調整するための「コントロール・ゲート」へ。
ナイアガラの滝は、あまりの水量のために、一年間に数メートルずつ浸食されて来て12000年かけて現在の位置にまでやってきているので、そのまま放置すると浸食がどんどん進んでしまうため、それをくい止めるために開閉式のゲートを建設したのだそうです。
実際このゲートを建設後、滝の浸食は年間2〜3センチにまで減少したそうです。
また、カナダ滝はアメリカ滝よりも低い位置にあるために、そのままではカナダ滝の方にばかり水が流れ込んでしまうので、アメリカ滝の方にも水を送り込むという役割もしているのだそうです。
ここがナイアガラの滝が始まったところ。 左側には切り立った地層は見られない。 |
ナイアガラ川の下流。非常に穏やかな流れになっている。 |
ナイアガラの滝は当初、氷河期が終わり、それまで地表を覆っていた厚い氷が溶けたことで、圧力から解放された地面が隆起したところから出来上がりました。
そして、前述の通り年に数メートルずつ浸食されながら現在の位置にまで達しています。
そのため、隆起したところとしなかったところがはっきりと断層としてみられます。
隆起したところは猛烈な滝の水圧に浸食され、ごつごつとした岩肌を露出しているのに比べ、しなかったところはまわりに緑が生い茂り、非常に緩やかに流れるという、まさに両極端な風景を見せてくれます。
などとうんちくを述べたところで、一行は次の目的地、「テーブルロック」へと向かいます。
ここは、1日目にも来たカナダ滝の流れ込むすぐそば、数メートルのところにある公園ですね。
天気もいいし、ここで写真でも撮っておこうかと思ったところ、なんとフィルムが残り2,3枚しかなく、しかも換えのフィルムを持ってくるのを忘れていたことに気がついた。どうすんだ〜、今日はまだこれからだというのに・・・
その時間にはまだ店は開いておらず、結局しばらくたってから買うことにしたのだけど、さすがに観光地らしく、フィルムはとても高価な代物でした。確か日本円にして千円以上はしたなぁ、一本で。
とりあえずその場ではビデオとデジカメで撮影しまくりました。
テーブルロックから流れ込む滝を撮影。このアングルからでもすごい迫力!水面に反射する光がきれいだった。
奥にはコントロールゲートが見える
そして次はメイン・イベント「霧の乙女号に乗船」!
チケットを受け取って乗船場手前までやってくると、お約束の青い雨ガッパを手渡され、すっぽりと頭からかぶり、さあ乗船。
僕は添乗員さんから「スリに気をつけて」と言われたのと、いざというときにカメラをしまいやすいようにディバッグを前にかかえた状態でカッパを着ることにしました。
しかし、あとで撮った写真を見てみると、あまりに間抜けなカッコ・・・せめて写真を撮るときくらい見えないようにするべきだったとちょっと後悔しました。発想は良かったと思うんだけどなぁ〜、自分の写真を撮ることまでは気が回らなかった。(笑)
船から見上げたアメリカ滝の全貌。水しぶきはあがっているけど、まだ安心してカメラは扱えた。
アメリカ滝の正面あたりに船着き場があって、出発するといきなりアメリカ滝に最接近。印象としてはカナダ滝にはかなわないと思っていたアメリカ滝も、こうして間近で見上げてみるとなかなかの迫力だ。
ある意味「滝を間近に見る」という目的は、アメリカ滝でこそ果たせるとも言えるかもしれない。(笑)
そしていよいよカナダ滝に接近!っておい、水けむりでなんにも見えないじゃん!確かにものすごい迫力ではあるが、これは「鑑賞する」なんて甘っちょろいモンじゃない、「滝を体感する」って感じだった。
間近に近づいてからもビデオが撮れるようにと思って、ビデオカメラに透明のビニール袋をかぶせておいたんだけど、あまりに降ってくる水しぶきが激しくてまったく意味をなさなくなってしまった。
そんな中で撮影できた写真がこれ。水しぶきが弱まったのを見計らって、カッパの中に忍ばせておいたデジタルカメラでとりました。
右下の写真なんか、もはや何がなんだか・・・よく撮ったな、こんなの。
最接近したときには、もはやどこに滝があるのかなんてよくわからない状態で、とりあえずしぶきが弱まったらカメラを取り出してシャッターを押すばかり。視覚よりもまさに「体感」といったところ。
いや、とにかく言葉では説明できないほどすごい迫力でした。
ところで、「霧の乙女号」に乗船する直前、突然腹痛におそわれました。おいおい、よりによってこんな時に・・・
ガイドさんには「ツアーのみなさんは必ず同じ船に乗って下さい。」と言われてしまったので、今トイレに駆け込むわけにも行かないし、かといって船の中にトイレなどありそうもないし・・・
究極の選択でしたね、これからまだ痛みが続くと見て乗船をあきらめるか、良くなるとふんで思い切って乗っちまうか。
結局後者を選んだんだけど、まあ、じきに痛みが引いたので本当にラッキーでした。
海外で腹痛を起こすってやっぱりちょっと怖いよね〜。
とにかく水しぶきと風でぐちゃぐちゃになりながらも無事船着き場に戻ってきた僕らは、その後再びバスに戻り、今度は「クィーンビクトリア公園」へ向かいました。
ここには、作られた時点では世界最大だった花時計がありました。とはいっても今は時期じゃないらしく、「草時計」になってましたけどね。(笑)
ちなみにその後記録を抜いたという花時計はすべて日本国内にあるそうです。
まったく日本って・・・世界一が好きだよな〜、確かちょっと前世界一の長椅子を巡って日本の地方の町が継ぎ足し合戦を展開したって話があったが・・・争い始めるときりがないよね。
これが花時計ならぬ「草時計」。秒針がついている花時計としてはいまだに世界最大らしい
そしてそれからホテルへ戻り、これにてナイアガラフォールズでの予定はすべて終了。
昼過ぎにはバスでトロントへ向けて出発、トロントからデトロイト、デトロイトからニューヨークへと向かいます。
しかし、トロントからニューヨークって、距離的にはトロントからデトロイトと大して変わらないのに、こんな遠回りしなくちゃならないんだろうねぇ・・・まあ、それがツアーってものだけどさ。
ありがとうナイアガラ!短い滞在だったけど、本当に来て良かった。
さて、1日目に来た道をなぞるようにナイアガラフォールズからトロントへ、トロントからデトロイトへと順調に移動した僕らは、予定通り17:45分にはデトロイトに到着し、今度は待ち時間が少ないはずのデトロイト18:50分発のニューヨーク・ラガーディア空港行きの便を待っていました。
しかし、そろそろ搭乗手続きが始まる頃だと思っていたら、なんだか受け付けカウンターのところがあわただしい。
機長らしき人まで出てきて、カウンターでどこかに電話をしていて、しばらくすると電光表示板のところの[DEPARTURE 18:50] の文字が消えた!
お〜い、なんだよ、トラブルかぁ〜?と思っていると、さっきの機長らしき人がマイクを持って、
「この便は、ニューヨークのエアートラフィックのために20:30まで出発を延期します。まぁ、どこかで夕食でもとりながらお待ち下さい」
ってなかんじの事を言っていた。
はっきりいって僕らもすべてが理解できたわけではなく、だいたいこんな感じだろうといったものだったのだけど、他の日本人の人に、「今のなんて言ってたんですか〜?」といわれて、「あ、それはですね・・・」と答えるのは、ちょっとだけいい気分でしたね。(笑)
さて、前日と同じ場所で、同じように何を食べるか迷うことになった僕らは、昨日の時点でどこになんの店があるかは確認していたので、どこで食べるかはすでに決まっていました。そう、あのちょっと怪しい立ち食いそばや!
だってさ〜、他はやっぱり重そうなんだもん、バーガーキングとか。バーとかもあったんだけど別にお酒飲みたくなかったしね。
結局前日食べたラーメンも思ったよりは食べられるものだったので、勝手知ったる、って感じで今度は「ワカメうどん」を注文。
まあ、はっきりいえば特別おいしい訳じゃないんだけど、「さっぱりしたもの」という意味では無難だからね。
結局飛行機は21:00にようやく離陸、ニューヨークへ向けて出発しました。
なんだか結局昨日に続いて待ちくたびれることになったのですが、フライトが遅れたことが僕らにとって「ラッキー」と、思える部分も実はあったのです。
そう、もし予定通り18:50にデトロイトを出発していたら、完全に日が暮れる前にニューヨークに着いてしまうのです。
つまり、遅れたことで、ほまれ高いニューヨークの夜景を労せずして飛行機の中から見ることができたのです。
惜しいことにマンハッタンの夜景は飛行機の反対側の窓からの方がよく見えたのですが・・・こればっかりはしょうがありませんね。
まあ、ちらちらとは見ることができたのでヨシとしましょう。ニューヨークの夜は今日だけじゃない!
結局ラガーディア空港に到着したのはもう23:00も回ろうかって頃になりました。
そして、JTBのバスに乗って一路、マンハッタン島へ。
バスが出てすぐ、JTBの駐在員の人が
「いや、飛行機が遅れはしましたが、私は初めからあきらめておりました。今年、ニューヨークは異常気象で、夕刻になるとサンダーストームが来て、この一週間、空の便は乱れっぱなしです。みなさまは今日のうちに到着できて非常にラッキーでしたよ。
ここ数日、他の都市からニューヨークに入れなかったり、ボストンや、ワシントンに行ったっきり帰ってこれないお客さんが続出しております。
そういったお客さんには夜行バスを使って8時間かけて帰ってきてもらったりしてもらっていますので・・・」
などと言っていた。
「そうか・・・ボストンに行って帰ってこられない事ってあるのか・・・」
この時点ではボストンに住む友人の家を尋ねる予定を組んでいた僕らは、これはちょっとやばいかもと思い始めていたのでした・・・
バスがホテルのあるマンハッタンのミッドタウンにはいってきた頃、僕は驚くべき光景を見ました。
なんと、その時点で0:00を過ぎているのに、街を女性がひとりで歩いているのです。しかもひとりだけじゃなく、いかにも当たり前といった感じがありました。
これには驚きましたね〜、ニューヨークは「地下鉄に乗ってはいけない」「タクシーはぼられる」「暗くなって外を歩くのは非常に危険」が常識だと思っていたもので・・・
結局、最近では人通りのあるところでは、夜暗くなっても歩いても平気だし、地下鉄も特別高価なものを身につけたりしていなければ危険なことはないということでした。タクシーはわからないけどね。
ようやくバスがホテルに到着、チェックインを済ませ、部屋へ行ってみると、入っていきなりタバコの臭いが・・・せっかく高い金払って高級ホテルに泊まるのに、タバコの臭いを我慢しながらじゃ割に合わないと言うことで、嫁さんがフロントに直接交渉に行く事になりました。
そこら辺のことはうちの嫁さん、とっても心強いです。とりあえず任しておけば強引にでも自分の思ったとおりにしてしまいます。(これが自分にはできないんだよな〜)
結局、最初の部屋は6階で、客室の中では一番下の階だったのですが、うちの嫁さん、23階の、しかもより広い部屋をゲットしてきました。これにはただ感心するのみ。
その時点ですでに1:00を回ろうかって頃で、もう完全に疲れ切っていたので、さっさとシャワーを浴びて昨日に続いて髪も乾かさずに眠りに落ちていくのでした・・・